※明らかに纏まりの無い内容ですが、色々とタイミングを逃したっぽいので一旦、挙げておきます。後で残りを書くかも。
劇場でシン・仮面ライダーを見てきました。
感想を話す前に私の仮面ライダー遍歴を説明しておきます。
555~カブトは間にDVDなどで見ています。
昭和ライダーには殆ど触れていませんが、初期の仮面ライダーSPIRITSは好きでコミックスを買っていました。
以下、ネタバレを含みます。
先ず、私は映画館の無い地域に住んでいるため劇場まで足を運ぶ以上は全力で楽しむつもりで臨みます。
お金と時間を払うという意味でもそうですし、メンタル的にも全集中で理解しようと努めて受け入れ態勢を整えます。
ただ一つ言い訳をさせていただくと、この日の私は持ち前の自律神経の弱さがジャストミートしてコンディションは最悪でした。
朝から頭痛薬を服用して肩こり腰痛は残ったままだし尿意も何もコントロールができていませんでした。
おまけに最近の私は仮面ライダーという物に若干疲れているような気持ちをかかえており、(勿論、嫌いになったわけではありません)現役放送分も全く追えていない状況のため熱も持ちにくい心持だったのは言い逃れの出来ない事実です。
しかも長くファンをやっていると、こういった”焼き直し”や”決定版”みたいなのにはよく遭遇するんですよね。
カブトの年に出たTHE FIRSTなんかもそうだし、私はまだ見れていませんが、最近だと同じく50周年記念を銘打ったリバイスの映画なんかもそうでした。
本郷猛役で藤岡弘、さんの出演も何度か叶っていますし、主演で映画も作られています。
そしてシン・シリーズ……というかS・J・H・Uですか。
それもゴジラから、エヴァを除く作品を劇場で見てきましたが、仮面ライダーまで来ると「やり過ぎでは……?」という感覚もあり。
要するに私は二重にシリーズに疲れていたのです。
そのためか、冒頭の内容は全く心に入ってきませんでした。
画的なインパクトは強かったものの、頭では「あーこれ……実写かなぁ。でもトラック落としたら流石に予算とかロケ地とか大変だからCGかなぁ」という思考が先行し、
勿論普段他のライダーを見ていても頭のバックグラウンドではそういう思考を持ちながら見てはいるのですが。
続く、ライダーと戦闘員のアクションでも、ドバっと出る血糊に対して「あーこういう描写あるよねー」と思い、その後緑川博士のバッタオーグへの説明に関しても「ちょっと説明台詞過ぎて入ってこねーな」と感じ。
(庵野さんの事なので例の「本郷猛は~」を入れるのかと思っていたけど今思えはこれがそれの代わりだったのですね。そう思えば上手いか)
緑川ルリ子の背を這う子蜘蛛についても「あー気色悪さの演出だな」と。冷めた目で見ていました。
その後、本郷猛が手袋についた血糊や変異した自分の顔を見て戸惑うシーンなども何処かで見た気がします。
振り返るとこれがよくある「改造人間の悲哀」部分だったのでしょう。
ルリ子の肩と掴んだ際に力の加減が出来ない描写がちょっとありましたが、あそこで大げさに痛がらなかったのはよかったですね。
その後のクモ男の腕主観でわざわざジッパーから出てくる所も、丁寧な非人間性という描き方で見れば好感が持てます。
しかしそれは振り返ればという事であって、劇場でライヴの感想としては「このまま詰まらない状態で終わるのか……?」という不安が立ち込めていました。
正直ただのホラーグロ映画に終始してしまったTHE NEXTの悪夢がよみがえります。
しかし、蝙蝠オーグを追走するシーンあたりから私の感覚が変わります。
恐らくそのシーンが起因ではなく、それまでのシーンの積み重ねが私の中に”染み入った”感じだとは思うのですが、なんとなく「あ、そうかこれ庵野秀明だ」と私の中で何かが開いたのです。
そうすると長ったらしい説明はとりあえず半分理解しながら聞き流し、後で考察本やら解説やらを読みながら解かれば格好いいエッセンスになってくるし、淡々とした会話もがらんどうなロケーションも、エヴァとして楽しめばよかったのだと思えたのです。
あ、エヴァとしてっていうのは比喩ですからね。
要するにあの青空におめでとうおめでとうクエックエッを見いだせたらこの映画勝ちです。
そこで蝙蝠オーグが「お前の跳躍力は~」の口上をわざわざ言ってくれたので次の展開が読めた私はニヤリですよ。
仮面ライダーSPIRITSファンの皆さん、ライダーが蝙蝠怪人に対してとるべき対抗手段と言えばアレですよね。そう、
サイクロンの上からの2段ジャンプ!!!
ここで私のアクセルがイグニッションして思考力が低下したので心がライダーキックでした。
思考力低下ついでに蜂オーグの話に飛びますが、キルビル趣味は置いといてあそこのアクションめっちゃ良かったんですよねホンマニ。
自衛隊機からの落下は「来るだろうな~」と思ってからのバチコイだったのでアガりましたが、まさかきりもみキックまでしてくれて満足度倍率ドンでしたし、
なによりアクション表現の歴史的革命だと感じた”速さ表現”です。
仮面ライダーといえば最近よくあるのが周囲をスローにする形。
相対的に速い方の時間に観客の視点を持ってくる所謂クロックアップ型ですが、
それ以前は速い方が残像になるような表現が多かったような印象です。
今回のはそのどちらでもなく、蜂オーグが光のテールを引きながら残像となり、ライダーがストップカットかのような明滅移動を繰り返すというものでしたね。
お互いの速度というか、スピードの種類に差がある事の表現とも言えますが、従来の特撮の撮影手法をオマージュしての表現ともとれて面白かったです。
そしてなによりクロックアップ型の表現より視聴者が速さを実感しやすい。
かつ、単純な残像表現より画に面白みがある。
実際の蜂と飛蝗の戦いとして見れば、片方は翅による飛行の速さに対し、
飛蝗は跳躍による緩急のついた速さになるかと思うので、この表現はマッチしていたかなと。
最終的には防護服とオーグとしての丈夫さで勝利をおさめますが、
ここで必殺キックの”わざと外し”も入れてくるとは。楽しんでるな庵野さん。
今回のショッカーは純粋な悪の組織ではなく、というか原典も悪ぶった悪ではないですが、人類のための正しいと思う方向性の違いによる決裂として描かれているので、
お互い相手に対して真摯なんですよね。だから撤退も対話も成立するし。
「私は〇〇なんだから!今さらいい子ちゃんになんかなれるか!」みたいな意地が無い。
ある意味完全にSHOCKERの内乱なので、国の組織もよくライダー側についたなってなモンですが。
話が逸れました。
蜂オーグに関しては顔にキメェ要素無いのかよと思いましたが、蠍オーグの展開をここで回収したのはグッドッ!
なんだかんだルリ子の内面みたいなのがやっと見える所なんですけど、本郷がそれを凄い察している所とか、あんまり明確な描写ではなかったので恐らく大衆向けにはウケないだろうなという所です。
言葉を選ばないで言うと、
全部説明しないと解からん奴には不評だろうなこの映画。
ってところでしたね。
あ、ついでに思い出したんで書いときますが。
今回は蜂オーグも緑川ルリ子も出てるのに変態シーンが何も無かったのでよかったですね。
まぁルリ子が着替えがなんたらとか言うくだりは見る人が見ればそうなんでしょうけど……。
状況が状況かつ、半分は本人が望んでの事だと思うので許してください。
何も起きなかったのは本郷猛が硬派なので。いや今作ではコミュ障って事なんですけども。
コミュ障と言えばキャンプ趣味……もとい野宿趣味なのもよかったですよね。
能力の高いコミュ障。しかも彼は一人が好きとかではない。
むしろ一人が好きなのは一文字の方でしたが、本郷はむしろ人との関係、人の為に力を使う事を望んでいました。
戸惑いや悩みが全く無かったわけではなさそうですが、それでも現状をスッと受け入れたかのようなスタンスは、同じ庵野監督の作品であるエヴァのシンジ君とは全く違うように思いました。
むしろこれは焼き直し路線ではなくエヴァの延長戦にあるという事だからなのだろうか……。
コミュ障と言われながら、ある意味悟り世代的な受動性があるようにも見える。
そんな今作の本郷はどのぐらいの年代の人物の設定なのでしょうか。
50年前の男の感性ではないでしょうが。
休題
後で加筆しますがとりあえず疲れたので一旦……